2025年06月13日プレスリリース

世界最大級の睡眠学会「SLEEP 2025」にて、睡眠段階・覚醒反応・呼吸イベントの自動判定に関する研究成果を発表しました

〜高品質な学習データを活用し、検査技師に匹敵する精度を実現〜

東京大学発の睡眠テックスタートアップ、株式会社ACCELStars（本社：福岡県久留米市、代表取締役：宮原禎、以下「ACCELStars」）は、米国シアトルにて開催された国際学会「SLEEP 2025」にて、睡眠段階・覚醒反応・呼吸イベントの自動判定モデルに関する研究成果を発表いたしましたことをお知らせいたします。

発表タイトル：
Simplified ML Models for Auto-Scoring Sleep Stages and Event-Based Detection of Arousals and Respiratory Events: Evaluation with Expert Consensus
（日本語：PSGデータに対する高品質判定データを活用した睡眠段階・覚醒反応・呼吸イベント自動判定モデルの開発）

発表者（共著者）：

兼田充1、大垣翔1、野原友幸1、大迫直志1、藤田修平1、八木朝子2、緒方貴紀1

1. 株式会社ACCELStars、2. 久留米大学

本研究では、ポリソムノグラフィー（PSG）データを対象に、4名の検査技師が事前に判定基準を擦り合わせた上で高品質な学習データを作成し、簡素化した機械学習モデルによって睡眠段階・覚醒反応・呼吸イベントの自動判定を行いました。モデルの性能は、検査技師間の一致率と同等水準の精度を達成し、従来の深層学習モデル（U-Sleep, DOSED）と比較しても優れた結果を示しました。

本成果は、以下の点で注目すべき意義を持ちます：

高品質なPSGの判定データを作成し、それを用いて自動判定モデルを開発した
- 類似の研究は多数あるが、モデル構築の際、学習データの品質に言及しているものは少ない
- 本研究では４人の検査技師が事前に判定基準を突合し均一化することで高品質な学習データを作成
睡眠段階、覚醒反応、呼吸イベントを判定するモデルを作成し、全てにおいて非常に高い精度を達成した
- 技師間の一致度と同等の精度が出ていることを確認した
- 4人が同じデータを判定したデータから技師間の一致率を計測
- 技師間の一致率とモデルの精度とを比べることで、モデルの達成率を確認
過去の類似研究と比べると、学習データの質が高く、その分モデルの精度も高くなっていることを示した
- 高品質な学習データを作成した結果として高い精度のモデルを作ることができ、データ品質の重要性が示された（モデルの精度は学習データの質で制限される）

来場者の医療関係者からは、このAIの更なる進化をすすめ、医療現場に広く役に立つように発展してほしいなどの意見をいただきました。ACCELStarsでは、今後、本技術を活用し、睡眠医療現場における働き方改革を支援する解析効率化や、解析精度のさらなる向上に取り組んでまいります。

【SLEEP 2025について】
「SLEEP」は、米国睡眠医学会（AASM：American Academy of Sleep Medicine）と米国睡眠研究学会（SRS：Sleep Research Society）が共同で設立した組織、米国睡眠関連専門学会連合（APSS：Associated Professional Sleep Societies, LLC ）が主催する年次学会であり、世界最大級の睡眠医学および睡眠科学の国際学会です。

第39回目となる本年の開催は、2025年6月8日から11日までワシントン州シアトルで実施され、世界中の臨床医、研究者、産業関係者が参加しました。

詳細：https://www.sleepmeeting.org/about/

[発表内容]

【会社概要】
株式会社ACCELStars（アクセルスターズ）　
代表取締役CEO 宮原禎
設立日：2020 年 8 月 28日
本社所在地：
〒839-0864　福岡県久留米市百年公園1-1
東京オフィス：
〒113-0033　東京都文京区本郷7-3-1東京大学アントレプレナープラザ205
HP：https://www.accelstars.com/

宮原禎（代表取締役 CEO）

リクルートにて事業開発を経験後、複数社の経営経験を経てヘルスデータプラットフォーム株式会社代表取締役社長に就任。PepUpを立ち上げ、国内最大級のPHRサービスへ成長させる。JMDC統合後はFitbit社との日本独占提携などを指揮。2021年5月より現職。

上田泰己（創業者 / 取締役 CTO）

2004年、東京大学大学院医学系研究科修了。03年から理化学研究所チームリーダー等を経て13年より東京大学大学院医学系研究科教授。現在、東京大学大学院情報理工学研究科教授等を兼務。専門はシステムズ薬理学・睡眠。

【本件に関するお問合せ】
株式会社ACCELStars（アクセルスターズ）
広報担当：press@accelstars.com